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福井市豊島にあるオカダ薬局の公式サイトです。漢方薬・薬草、お薬の販売、処方せん受付など
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健康漢方相談を承ります
「漢方薬」とは漢方医学に用いられる薬の事です。人間の体を自然の一部として捉える漢方では、体全体のバランスを整え、体が本来備えている「自然治癒力」を高めることによって不調を治していきます。
詳しい症状、体質をお伺いした上で、豊富な知識と経験でお一人お一人に合わせた漢方薬をご提案いたします。まずは漢方相談で症状やお悩みをお聞かせ下さい。
予防と養生について
私共は健康への奉仕と社会への貢献を基本姿勢にしています。人間には持って生まれた自然治癒力が備わっております。自然治癒力とは、元々あなたが持っている、健康を守ったり、病気を治したりする力です。それが「自然治癒力」と呼ばれているものです。あなたが、傷を負っても自分の力で元の状態にもどります。
ウイルスに感染しても、免疫システムがそれらのウイルスを駆除し、治してくれます。免疫システムは自然治癒が出来るようにつくられているのです。あなたは自然治癒力によって生かされている。
生まれてから、今まで自然治癒力がなければ生きることは出来ない。それほど大切な力。もっと、自然治癒力を信じませんか。
そうすれば、自然治癒力を高める理由も分かるからです。
自然治癒力に感謝し、信じ、治すという意志、迷わない強い意志が自然治癒力を高めます。感謝の心で自然治癒力は高まり、怒りや悲しみで自然治癒力は、低下します。正しい生活習慣で高まり、不摂生で低下します。
治療は、今の希望であり、養生は、幸福の予約です。
漢方と漢方薬
「漢方」とは、中国から日本に伝えられた中国伝統医学の日本での呼び方です。
奈良時代に日本へ伝えられた中国伝統医学は日本の風土に合わせて独自で発展し、「漢方」と呼ばれるようになりました。漢方医学と言えば「漢方薬」が有名ですが、鍼(はり)や灸(きゅう)で治療を行う「鍼灸(しんきゅう)」も漢方医学のひとつです。漢方医学で使用する薬が漢方薬です。漢方薬が生まれた時代には、薬として使用できるのは「生薬(しょうやく)」と呼ばれる自然の資源で、草、木の皮や根、実、種、動物の体の一部や貝殻、石(化石)などが使われてきました。
漢方薬は、漢方医学の考え方にもとづいてこれらの生薬を組み合わせたもので、「傷寒論(しょうかんろん)」や「金匱要略(きんきようりゃく)」など漢方薬の古典(古い時代の本)に紹介されているものを、特に「漢方薬」と呼んでよいと決めています。ドクダミやゲンノショウコなど、健康茶などとして親しまれている薬草は「民間薬(みんかんやく)」と呼び、漢方薬とは区別しています。
中国での漢方薬の歴史
中国伝統医学の起源は、哲学者で鍼治療士だった「伏義」、「神農」、そして「黄帝」という伝説上の3人の皇帝が薬草、漢方薬、治療法を発見したことにさかのぼるといわれています。
中国伝統医学の起源は、哲学者で鍼治療士だった「伏義」、「神農」、そして「黄帝」という伝説上の3人の皇帝が薬草、漢方薬、治療法を発見したことにさかのぼるといわれています。中国伝統医学の考え方は漢の時代(紀元前)、「黄帝内経(こうていだいけい)」という中国最古の医学書にまとめられました。また、生薬の効果などをまとめた本が「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」です。
本の名前にもなっている「神農(しんのう)」とは伝説上の薬の神様で、1日に 100種類の草や木を なめ、その効果を分類したとされています。たくさんの薬をなめたので、時には毒にあたり苦しんだという伝説もあります。
続いてできあがったのが漢方薬の本である「傷寒論(しょうかんろん)」と「金匱要略(きんきようりゃく)」です。ここで紹介されている処方(漢方薬)は現在でも非常に多くのものが使われています。この後、時代の流れと共に新しい処方が生まれ、多くの医師が活躍しました。
一時的に伝統医学が衰退した時期もありましたが、1960年代後半から起きた文化大革命の後、伝統医学が再び注目を集め、古い書物や伝統的な考え方を国をあげて整理して「中医学(ちゅういがく)」と呼ばれる学問が作られました。
日本での漢方薬の歴史
日本に中国伝統医学が伝わったのは奈良時代のこと。仏教を広めるため、失明しながらも日本への渡航に挑戦した鑑真が薬草の知識を伝えました。
また鑑真は、日本にあった生薬の鑑定や使い方の指導も行いました。当初は中国のやり方そのままの治療が行われていましたが、日本と中国では気候や風土、国民の体質など異なっている点もあったため、次第に日本人に合わせた漢方医学へと発展しました。
奈良・平安時代には貴族など階級の高い限られた人だけに使われていた漢方医学ですが、室町時代以降には一般の人たちにも広がり、江戸時代には多くの医師の活躍で漢方医学も大きく発展しました。特に、江戸時代中期に吉益南涯(よしますなんがい)が発表した「気血水理論(きけつすいりろん)」という考え方は現在の日本漢方の考え方の基礎となりました。
漢方という名称は日本で行われている「東洋系伝統医学」に対してつけられた日本独特の呼び名であります。古代中国で生まれた伝統医学は、経験の積み重ねにより体系化され、やがて遣隋使や遣唐使などによって日本に伝わり、日本で独自に発展して定着していきました。
江戸時代の末期に西洋系の医学“ 蘭方(らんぽう)”が伝わるまで、日本の医療を支えたのは“ 漢方 ”であり、その流れは現在の医療の中でも受け継がれています。明治時代に入ると、文明開化のため人々の生活もがらりと変わりました。国は経済力と軍事力の発展のため富国強兵策をとり、一度にたくさんの人の治療や病気予防、戦場でのケガの手術ができない漢方医学を排除しようとし、漢方医の数はすっかり減ってしまいます。
しかし、昭和に入り戦争も終わったころ、大塚敬節(おおつかけいせつ)や矢数道明(やかずどうめい)らの活躍で漢方医学も少しずつ復活してきました。やがて人々の目はまた漢方へと向き始め、昭和40年代には病院や薬局でも漢方薬が広く取り扱われるようになりました。
漢方医学の考え方
漢方医学では、個人の体質や体のバランスを重視して診断を行うことを大切にしています。その考え方には「虚実(きょじつ)」や「五臓(ごぞう)」、「気血水理論(きけつすいりろん)」などが用いられ、「病気の進行具合」も参考にします。
虚実を考える
漢方では、体質や体の具合を「虚(きょ)」「実(じつ)」の二つに分けて考えることがよくあります。
「実」とは、充実している状態を指し、体力のある人を「実証(じっしょう)」と表現します。逆に「虚」とは働きが低下している状態で、体力のない人を「虚証(きょしょう)」と表現したり、臓器の働きが低下している状態を「腎虚(じんきょ)」「脾虚(ひきょ)」などと呼んだりします。
五臓の働きを考える
「五行説(ごぎょうせつ)」という中国医学の基礎となる考え方では、5つのグループに分けられた自然界のあらゆるものが、助け合ったり暴走を止めたりして自然界のバランスをとっていると考えています。たとえば生活に欠かせないものに火がありますが、木をこすると火がつき、燃えすぎて危ない場合には水をかけて火を消します。火と上手に付き合うには木と水をバランスよく使うことが大切です。
「肝(かん)」「心(しん)」「脾(ひ)」「肺(はい)」「腎(じん)」の5つの臓器を漢方では「五臓(ごぞう)」と呼んでいます。五臓も、それぞれの臓器が活発に働くように応援したり、どこかが働きすぎならばそれを食い止めたり、木・火・水と同じようにバランスをとって体全体が元気に動くよう調節しています。五臓のひとつひとつはそれぞれ、次のような働きをもっています。
■肝:毒を処理する、心のバランスを保つ、血をたくわえる。
■心:血液を運ぶ、心のバランスを保つ
■脾:食べ物の消化と栄養の吸収、水分を体じゅうに運ぶ
■肺:呼吸、水分を体じゅうに運ぶ
■腎:排尿を調節する、足腰を強くする、体の成長・老化に関わる
これらの働きを「虚実」の考えに当てはめ、元気がない臓器や働きすぎの臓器に適した治療を行います。
気血水の働きを考える
人間の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つの要素で成り立ち、これらが一緒に働いて体を動かしているという考え方が「気血水理論(きけつすいりろん)」です。それぞれの働きは次のようになっています。
■気:体を動かすエネルギー。気が体全体をくまなくなめらかにめぐっていれば、
体や臓器も元気に働きます。
■血:体内で栄養などを運ぶ働きをしています。
■水:体内の水分です。
気や血の働きが悪くなると元気がなくなります。オナラやゲップは気のめぐりの悪さが原因です。気血水が偏りなく流れていれば、体は元気に働きます。気血水の量や流れ、働き具合が悪い時は、バランスを整えるような治療が必要です。
病気の進行具合を考える
風邪をひいた時には、肩や背中の痛みや寒気、 発熱があり、しばらくしてからお腹の具合が悪くなったり、長引くといつまでもだるさが残ったり、いろいろな症状があらわれますが、これは病気のステージが変化しているからです。漢方ではタイミングよくステージに合った治療を行うことを非常に大切に考えています。ステージに合っていない治療を行うと、余計に具合が悪くなったり体に悪い作用を及ぼすこともあるので注意が必要です。
漢方について
漢方薬の剤形(くすりの形)
現在では粉薬や錠剤で服用されることが多い漢方薬ですが、漢方薬はもともと「湯剤(とうざい)」「散剤(さんざい)」「丸剤(がんざい)」などの剤形(くすりの形)で服用されていました。もちろんこれらは現在も使われています。
湯剤(とうざい)
刻んだ生薬を混ぜたものを煮出して(煎じて)、生薬カスを取り除いた液を飲む薬(煎じ薬)。
散剤(さんざい)
生薬をすりつぶし粉を混ぜ、そのまま服用する粉の薬。香りを大切にする処方や吐き気どめなどに多い。
丸剤(がんざい)
生薬の粉をハチミツと練り合わせ小さな丸い玉にした粒の薬。持ち運びに便利。
湯剤などの優れた点は、患者さんの体調に応じて生薬を足したり引いたりして効き目を調節できることです。しかし、薬の準備には時間がかかり持ち運びも大変です。そこで、漢方薬を簡単に服用できるよう登場したのが生薬の煮汁を飲みやすく加工して作られた「エキス剤」と呼ばれる粉や錠剤の薬です。漢方薬をより簡便に服用できるエキス剤の登場は、漢方薬の普及に大きく貢献しました。
漢方薬の名前のしくみ
漢方薬の名前にはきちんと由来があり、一定の法則のもとで命名されています。
含まれている生薬によるもの
葛根湯(かっこんとう)、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):メインとなる生薬(1つまたは2つ)をつけた名前麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)、苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう):含まれている全ての生薬の頭文字をとった名前。
入っている生薬の数によるもの
五苓散(ごれいさん)、八味丸(はちみがん)、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう):含まれる生薬の数からつけられた名前。
薬の効果を表すもの
大建中湯(だいけんちゅうとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう):「中」とはお腹という意味で「お腹を建て直す薬」、「お腹を補う薬」という意味の名前になっています。これらの法則以外にも、漢方処方の名前の由来にはいろいろなものがあります。
漢方医学の診断方法
漢方医学では、その考え方に基づいて、どのような漢方薬を服用するのが適しているかという診断を行います。その診断方法にもいろいろありますが、病院や医院では「望診(ぼうしん)」「聞診(ぶんしん)」「問診(もんしん)」「切診(せっしん)」を合わせた「四診(ししん)」という診断方法がよく用いられています。
望診(ぼうしん)
患者さんの様子を目で見ます。元気があるか、表情が暗くないか、皮膚につやがあるかなどを観察します。また、「舌診(ぜっしん)」という診断方法では、舌の形や色、舌苔(ぜったい。舌についているコケのような白っぽいもの)から体力の有無、血や水の偏りなどを判断しています。
聞診(ぶんしん)
耳で聞いたり匂いをかいだりします。声の大きさや咳の音、胃の中に水がたまってぽちゃぽちゃと音がしていないか聞いています。体や口のにおいをかいだりもします。
問診(もんしん)
患者さんに質問をします。体の調子の悪いところ、どのような症状か、また悩みごとや 困りごとはないか、などいろいろな事を聞きます。悩みごとから体調が悪くなっている場 合もあり、症状の原因を探す手がかりになります。
切診(せっしん)
患者さんの脈やお腹に触ります。手首の脈に触る「脈診(みゃくしん)」では、手首の脈を強く押さえたり軽く触れたりしながら、脈の強弱や速さなどを調べます。また「腹診(ふくしん)」では、お腹を手で押さえながら、固いところや痛いところはないか、などを調べます。
漢方が生まれた時代には精密な検査やレントゲンなどはなかったので、患者さんの感じている症状や、医師が患者さんを観察して得られた結果だけが病気を知るための手がかりでした。これらの結果を漢方医学の考え方と照らし合わせ、患者さんの体全体にどのようなことが起こっているのか、また体調の悪さの原因は何であるのかを考え、それを解決できる漢方薬を選びます。必要に応じて2種類以上の漢方薬を使ったり、鍼(はり)や灸(きゅう)による治療鍼灸(しんきゅう)などを取り入れることもあります。また西洋医学の薬を併用す
る場合もあります。
漢方薬の特徴
漢方薬は、ひとつの薬でもさまざまな症状に使うことができます。
それは、病気の背景となっている体のバランスの悪さを改善するのが、漢方医学の基本的な考え方だからです。
たとえば、体内に水が余った状態(水毒(すいどく)などと表現)になると、手足や顔のむくみ、頭痛が起こります。症状の原因は余った水なので、それを尿として出す漢方薬を使用すると、むくみも頭痛も改善することができます。このように、ひとつの漢方薬でもいろいろな症状を改善することができ、逆に同じ症状でもその原因に応じてさまざまな種類の処方が使用されます。
また、検査のデータなどで異常が見つからないのに苦しい症状がある場合や、慢性の疾患(アトピー性皮膚炎、気管支喘息、花粉症など)に漢方薬が効果を発揮することや、西洋医学の薬品だけでは取り除けない苦しみを漢方薬が解決するケースもあります。抗がん剤など効きめの強い薬を用いた時はつらい副作用が出る場合もありますが、そのような症状を少しでも楽にするために漢方薬が用いられることもあります。
症状と漢方
藿香正気散
かっこうしょうきさん
吐き下しを伴う風邪に。
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麦門冬湯
ばくもんどうとう
痰の切れが悪く咳が出るなどの喉や気道の乾燥によって起こる症状に。
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苓桂朮甘湯
りょうけいじゅつかんとう
めまいや立ちくらみのファーストチョイス。
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解表舒筋(葛根湯)
かっこんとう
ひき始めの風邪や肩こりに。
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小青竜湯
しょうせいりゅうとう
比較的体力がある方の各種呼吸器疾患に。
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防已黄耆湯
ぼういおうぎとう
水太りで関節が腫れたり足がむくんだりする方に。
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明華順心(加味逍遥散)
かみしょうようさん
神経症状があり胃腸虚弱で疲れやすい女性や更年期障害に。
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清上防風湯
せいじょうぼうふうとう
赤くて勢いのある炎症性のニキビに。
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防風通聖散
ぼうふうつうしょうさん
腹部に皮下脂肪が多く便秘がちな方に。
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荊芥連翹湯
けいがいれんぎょうとう
炎症性や化膿性のものの症状に。
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補中回帰(補中益気湯)
ほちゅうえっきとう
元気がなく胃腸の働きが衰えて疲れやすい方に。
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